第25代大谷光淳ご門主 法統継承記念の  額入りお写真が届きました!

昨年、「伝灯奉告法要についての消息」が、専如ご門主より発布され、それを公式な英訳文が出来たことを受け、原文並びに訳文、そして額に入ったご門主のお写真がシドニーの開教事務所にも届けられましたので、この場をお借り致しまして、オーストラリアの会員の皆様へお知らせ致します。以下に紹介致しますのは、専如ご門主がこの法要について述べられたご消息です。

 

伝灯奉告法要についての消息

 

去る平成26年6月6日、前門主の跡を承けて法統を継承し、本願寺住職ならびに浄土真宗本願寺派門主として務めてまいりました。ここに法統継承を仏祖の御前に奉告いたしますとともに、あわせて本願念仏のご法義の隆盛と宗門の充実発展とを期して、平成28年および29年に、伝灯奉告法要をお勤めすることになりました。

阿弥陀如来のご本願は、あらゆる存在を分け隔てなくそのまま救おうとはたらきかけていてくださいます。迷いと苦悩をかかえる私たちは、阿弥陀如来のお慈悲ひとすじにこの身を任せ、真実のさとりの世界であるお浄土にうまれていくべき身にならせていただきます。宗祖親鸞聖人が「そらごとたわごと」とお示しくださった私たち自身を含む迷いの世界は、何一つとしてたよりになるものはありませんが、ご本願のはたらきの中に生きる私たちは、確かな依りどころを持つことができます。

科学技術の発達による便利で豊かな生活の追及や欲望の肥大化はとどまることを知りませんが、人々は、そのような豊かさのみを追求することの虚しさに気づきはじめたのではないでしょうか。しかも、核家族化・人口の流動化などによって社会構造は大きく変化し、人間関係は希薄となり新たな悩みや不安を生み出しています。さらに世界に眼を移せば、武力紛争、経済格差、気候変動、核物質の拡散など、人類の生存に関わる課題が露呈しています。これらの傾向は今後一層強くなっていくことと思います。

私たちは、凡愚のまま摂め取って捨てないと働き続けていてくださる阿弥陀如来のお慈悲を聞信させていただき、その有り難さ尊さを一人でも多くの方に伝えることが大切です。それとともに仏智に教え導かれて生きる念仏者として、山積する現代社会の多くの課題に積極的に取り組んでいく必要があります。まさにこのような営みの先にこそ、「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」道が拓かれていくのでありましょう。

このたびのご法要が、親鸞聖人によって明らかにされた阿弥陀如来の救いのはたらきに依りながら、時代の変化に対応する宗門の新たな第一歩として意義を持つものでありたいと思います。宗門では、親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年に向けて新たな長期計画が策定されます。皆様の積極的なご協力とご参画を心から念願いたします。

 

平成27年

2015年1月16日

龍谷門主  釈 専 如

 

以下は、5月の年次総会で報告された開教使からのレポートです。

 

第二十五期(2016年)年次総会  開教活動報告書

オーストラリア開教事務所長 渡部 重信

 

オーストラリア開教事務所はまた忙しい一年を終えることができました。

この一年間での最も大きな出来事は、昨年7月末の開教使宅兼開教事務所の移転でした。引っ越しに際し、お手伝いを頂きました皆様には今一度深くお礼申し上げます。今回は家主が家を売買にかけるとのことでやむなくの移転でしたが、すぐ近くに物件を見つけることが出来たことは幸いなことでした。しかしながら、賃貸の相場が近年高騰しており、これまでより25%高い家賃となり、今後の開教活動に支障を来すことが明白ということで、日本にも出向き本山に助成金の増額を申請したところ、家賃増額の大部分にあたる金額の追加助成が認められ何とか無事に今後も開教を続けることが出来る運びと相成りました。本山からの引き続きの支援に深く感謝するものです。

日々の活動として、日曜礼拝を始め、病院でのチャプレン巡回奉仕、地域の小学校での仏教の先生をするボランティア、様々な平和の集いへ出席するなど、地域社会、日系コミュニティに対する関わりを更に深めさせて頂いています。 こうしたご縁の場で「シドニーに西本願寺があって大変有難い。安心出来ます。」との声を聞くたびに、この地に伝道拠点があることの大切さを再確認させて頂いている次第です。

今後もこの開教事務所とご縁のある皆様と一体となって、この開教事務所をより今後も引き続き護持し、将来是非ともシドニーにお寺へと言う夢を実現すべく前進して行きたいものと思っております。

今後もこの開教事務所とご縁のある皆様と一体となって、この開教事務所をより今後も引き続き護持し、将来是非ともシド盂蘭盆会法要勤修(10日)ニーにお寺へと言う夢を実現すべく前進して行きたいものと思っております。この一年間の主な出来事を以下にまとめました。

2015年

5月   宗祖降誕会法要勤修&HBMA年次総会開催 (11日)

ベトナム寺院のウェサク法要に参列 (31日)

7月  日本クラブ主催のフェイト参加(4日)

盂蘭盆会法要勤修(12日)

聖メアリー教会にてIFTER夕食会に参加(16日)

開教使宅兼開教事務所移転(26日)

8月   開教事務所寺基移転慶讃法要を勤修(16日)

ベトナム寺院での施餓鬼法要に参列(27日)

9月   チャッツウッドでの日本祭りに参加(20日)

秋季彼岸会勤修(21日)

カウラ戦没者追悼法要を勤修(27日)

10月 チベット仏教カギュ派の平和式典参列、読経(1日)

裏千家淡交会の茶会に出席(18日)

シナゴークにて行われた「キリスト教会の他教に対する態度」宣言文50周年記念式典参列(28日)

11月  祭りinシドニーに参加(7日)

報恩講法要勤修 マーク師英語法話(8日)

聖メアリー大聖堂でのパリ同時多発

テロ追悼式典に参列(16日)

12月 京都本願寺で本多総務、疋田部長らと会談(17日)

「お磨き」&忘年会を開催(27日)

除夜会勤修(31日)

 

2016年

1月 修正会厳修 (1日)

2月 涅槃会厳修 (14日)

慈済基金教団主催、新年の集いに出席 (28日)

カルナ基金主催仏教書発刊記念式典に参列(28日)

3月 クリーンアップオーストラリアに参加(6日)

東日本大震災五周年追悼式典@Manlyで読経(11日)

東日本大震災五周年追悼法要@HBMA勤修(13日)

秋季彼岸会勤修(20日)

4月 花まつり法要厳修(10日)

アンザックデー平和式典に参列(24&25日)

5月 カルナ基金のウェサク祭に参列(1日)

RNS病院表彰式にて、15年ボランティアに対す

る表彰状を授与される(3日)

南天寺&慈済基金のウェサク祭に参列(8日)

降誕会法要厳修&HBMA年次総会開催(10日)

 

この一年を通じての活動について下記をご参照下さい。

1.病院、養老院の訪問

2001年以来、シドニー北岸最大の病院、Royal North Shore 病院(RNSH)で仏教患者の為のチャプレンとして登録して頂き、毎週木曜日、仏教入院患者の巡回訪問を行っています。病気、怪我等で自分の体を心配する患者さんへ心の癒しを提供しています。そのRNSHの北に隣接する、私立のNorth Shore Private病院(NSPH)と、そこから少し南のMater病院へは、仏教患者がいる場合、必要に応じて仏教患者への訪問をしています。その他、シドニー近郊にある病院、養老院、等々からの要請に応じ仏教患者の巡回を行っています。患者さんたちとの面会を通じて本願寺がこうしたサービスを提供していることをアピールさせて頂いています。介護免許保持者としてきめ細やかな対応を心がけています。今年5月始めには、ボランティアを15年続けてくれたことに対する感謝状を頂きました。

2.コミュニティーサポート

シドニーでの日本人永住者の会、JCS(シドニー日本クラブ:会員数約300世帯 )の副会長として、毎月の理事会に出席、主な仕事は、編集長として(2009年8月から)毎月の「JCSだより」の会報の編集を指揮しています。その他、JCSが主催する行事(フェイトや、夏祭り等)では、司会を努めるなどのボランティアを行い本願寺開教事務所の存在をアピールしています。今後ともこれらの活動を通じてご縁の場を広げて行きたいと思っております。

3.ニュースレターの作成

私がシドニーに赴任した2000年8月に「シドニー本願寺報」を創刊して以来、オーストラリアでの本願寺に関係した活動の報告をさせて頂いております。4月号で182号を数えるまでになりました。英語面の校正は、引き続きジョージ師にお願いしています。英語の記事では、ジョージ、ジョン、マーク各師からの寄稿を頂いており大変助かっています。マーク師には書評を書いてもらい、また理事のグレイム氏にはキャンベラで日本の震災追悼式典での尺八演奏のご縁についても記事にして頂きました。今後も引き続きシドニーから本願寺ニュースを発信していきます。

4.地域の人との交流-学校での仏教の授業

学校関係、病院、または個人の依頼により、いろいろな場所へ要請に応じて行き交流を持つよう努めています。同じ地域にある合同教会からは毎年、平和の集いへの招待があるなど、地域との交流も図っています。2008年より子供たちの通う東Lindfield小学校で仏教スクリプチャー(聖典講読)クラスの先生としてボランティアをさせて頂いています。キンディクラスから六年生(5~12歳)までの生徒が一緒になったクラスは大変ですが、とても教え甲斐のあるクラスです。毎週、楽しく授業を行っています。今年も30人という多くの生徒が在籍。地域の人達の中に仏教を習いたい生徒、習ってもらいたい保護者が多くいる現実を実感しています。

5.日曜礼拝、その他お勤め、レクレーション

日曜礼拝は毎週日曜日午前11時から勤められています。第一週はその月の祥月法要を執り行っています。最後の週の日曜日は休座となっています(例外もあり)。また、大きな恒例法要の講師として、花まつり、降誕会、盂蘭盆会、報恩講、の中で都合の良い日を選び、ジョージ師、ジョン師、マーク師ら豪州人僧侶達に年に一度ずつ英語の法話をして頂いています。また法要に理事のグレイム・ランフトさんが参列できる時は尺八を奉納して頂いており有り難く思っています。そしてその大きな法要の時には若い世代のファミリーにもお参り頂き、賑やかな中で仏恩報謝させて頂いております。そうした若いファミリーと共に、テニス大会、キャンプ、ハウスパーティ等のご縁を頂いております。レクレーション部門を担当して下さっている理事の湖城律子さん有難うございます。その他要請に応じて、法事、葬儀、結婚式、新装開店店舗の落成式法要、初参り法要等々を執り行っています。

6.広報活動

JCSの発行する「JCS便り」に毎月「仏教語からできた日本語」の記事を11年以上掲載させて頂いています。大変興味深く読んでいる、との反響もあり、そのご縁でお話をしてこられる方もいて大変ありがたく思っています。また、シドニー日本語土曜学校、JSS(シドニー日本人会)水泳部等に子供を通わせている関係で、色々な面で手伝いをしています。数百という日本人家庭、国際結婚された家庭がこうした所に子供たちを通わせており、そうした保護者とのコミュニケーションを通じて、シドニーの西本願寺の僧侶としての自分の存在を知ってもらえる様努めています。

色々なご縁の場で、「シドニーに本願寺があって大変有難い」、という声を聞かせてくたびに、益々、ここに伝道の拠点が存在することの大切さをひしひしと感じています。

7.「シドニー本願寺」設立に向けて

2002年より、シドニー本願寺設立基金がスタートし、浄財寄付活動が続けられています。ご縁のある皆様より貴重なご寄付をお預かりさせて頂いております。この一年間でその基金は、昨年比1,007ドル増えて34,646ドルが現在預金されています(寄付者総数211人)。

これまでも本山から送金を頂いている貴重な助成金ですが、今回の開教事務所移転により、家賃が25%値上がりし開教活動が今後困難になる事が確実となり、この件で本山に相談したところ、家賃値上がり分相当に近い金額を増額して下さるとの回答を頂いたことは、有り難い嬉しいニュースでした。まだまだ先の見通せない状況が続いていますが、オーストラリアでのお念仏の灯を消さないためにも、今後、オーストラリアに住む開教事務所にご縁のある皆様、オーストラリア本願寺の未来を信じる方々のこれからの益々のご協力を切に願うものです。幸運にも、タイ在住の一サポーターより開教事務所の将来のためにと、昨年一年間で多額の寄付をして頂き大変感謝したことでした。こうした寄付をして下さっている皆様のためにも、開教事務所がアクティブに活動していることを報告したいものと思っております。新しい開教事務所の敷地内にあるテニスコートも活用し、ファンドレイジングを行いたく思っております。来年には、新ご門主様の伝灯奉告法要に参列するツアーも組まれています。「お念仏の声を、世界に、子や孫に」というスローガンを今一度見なおした上でこの開教事務所が真にオーストラリアに根付く念仏の道場となるためにも、皆様一人ひとりのご協力を切に念願するものです。HBMAが真にオーストラリアに根付く念仏の道場となるためにも、皆様一人ひとりのご協力を切に念願するものです。         合 掌

 

ベトナム寺院のVesak法要に参列致しました

去る5月22日(日)にシドニー南東に位置するベトナム寺院のウェサク法要に招かれて、サポーターの陳俊霖&徐秀珍夫妻(写真右下の右端)と共に参拝し、読経(写真下)して参りました。

 

 

豪首相&大司教主催の晩餐会に出席

2016年6月8日&16日

今回初めてターンブル豪首相がキリビリに首相邸にて主催したラマダン期間中に行うイフター晩餐会に招待を受けて出席させて頂いて参りました。またその前の週には、聖メアリー大聖堂にてフィッシャー大司教が主催された毎年恒例のやはりイフタ-晩餐会に招待を受けてイスラムの皆様と一緒に参加させて頂いてきました。

合掌

 

 

2017年伝灯奉告法要参拝ツアーに参加しましょう!

2014年6月に新門様がご門主となられた法統継承式を受けて、ご門主のお代替わりを仏祖の御前に奉告する伝灯奉告法要が、今年の10月1日より10期8ヶ月に渡り厳修されることとなっており、オーストラリアからは来年の4月16日に予定されている法要に参拝することが予定されています。これを受けて、2017年4月14日から20日までの旅程でツアーを開催する予定にしています。

今回のツアーでは、法要に参加する他、親鸞聖人のご往生の地、角坊別院、比叡山から下山された親鸞聖人が住まわれた草庵の跡のある岡崎別院、そして西本願寺以外の浄土真宗の他の本山を巡る計画にしています。

 

ツアー日程/Japan Trip Itinerary

Day 1 (14 Apr 17) Friday      PM: 日本へ/Sydney to Japan

Day 2 (15 Apr 17) Saturday [Kyoto] AM: 京都着/Arrive Kyoto

PM: 角坊&岡崎別院/Visit Sumino-bo & Okazaki Betsuin

Day 3 (16 Apr 17) Sunday  [Kyoto]

AM: 仏光寺&東本願寺/Visit Bukkoji & Higashi-Hongwanji

PM: 法要に出席Attend Dento Hokoku Hoyo at Hongwanji

興正寺/ Visit Koshoji Temple

Day 4 (17 Apr 17) Monday [Kyoto – Shiga]

AM: 比叡山横川/Visit Mt Hiei Yokawa area,

PM: 錦織寺へ/Visit Kinshokuji Temple (Shiga)

Day 5 (18 Apr 17) Tuesday [Fukui]

All day: 福井の真宗本山巡り/Visit Honzans in Fukui

(Goshoji, Joshoji, Senshoji, Shojoji)

Day 6 (19 Apr 17) Wednesday [Kanazawa – Tokyo]

AM: 金沢観光 Visit Kanazawa

PM: 東京へ/Kanazawa to Tokyo by New Shinkansen

Day 7 (20 Apri 17) Thursday

AM: 東京観光/Tokyo sightseeing

PM: シドニーへ/Depart for Sydney

Day 8 (21 Apr 17) Fri        AM: シドニー帰着/Arrive Sydney

 是非一人でも多くの方がこのツアーに参加されますよう念願しています。日本からの参加も大丈夫です。希望者は開教事務所まで速やかにお知らせ下さいませ。 合掌

In Gassho,

Shigenobu Watanabe

Hongwanji Buddhist Mission of Australia,(Sydney)