シドニー本願寺報 2017年6月号

 

大司教主催の晩餐会に出席

2017年5月29日

例年聖メアリー大聖堂のカテドラルハウスにて行われるフィッシャー大司教主催イフタ-晩餐会が、今年は改築中と言うことで、場所を北シドニーのメアリー・マキロップ・プレイスに変更され開催。今年も招待を受けて他の宗教代表者らの皆様と一緒に参加させて頂いて参りました。

イスラム教の信者が神に感謝し、空腹や自己犠牲を経験することで飢えた人への共感を育むことを目的としたラマダン(断食)を約一ヶ月間行う際に、日中は一切の飲食を断ちます。そして、日が沈むと家族や友人が集まって一日の断食の終わった後、夕食を取りますが、その食事をイフターと言っています。このイスラム教の行事をカトリックの大司教が執り行なうことで、シドニーでは異なった宗教間での対立はなく、調和の取れた状態にあることを内外に示しています。

この日の晩餐会が催された会場は、オーストラリアで最初の「聖者(Saint)」となったメアリー・マキロップ修道女が暮らし、そして永眠する場所で、カトリック信者にとって聖地として知られています。大司教は、恒例の場所ではないが、今年この聖なる場所でお客様を迎えることができたご縁に感謝している、と歓迎の挨拶の中で述べておられました。

この日の晩餐会はアボリジニーの代表者が祈りを捧げ、食前の祈りの言葉をカトリックのエキュメニズム(世界教会主義)担当のファーキエ・ジョバンニ女史から頂き、最初にデイツ(ナツメヤシの実)から食べ始めメインコースへと移っていきました。

一昨年のクリスマスでは身体を患っていらっしゃった大司教も完全に回復されこの日、主菜のあと演題に立ち、素晴らしいメッセージを伝えて下さいました。その中で、超宗教でこうした行事が成功裏に行われている点を力説し、「オーストラリアは、素晴らしくまとまっている社会を形作っている」と述べていました。オーストラリアのイスラム社会代表者のイブラヒム・アブー・モハメッドはこの後、大司教に対し、イフターディナーを開催して下さった事に対して謝意を表しました。

合掌 オーストラリア開教事務所長 渡部重信

 

イスラム家庭でのイフターディナーに招待されました!6月12日

エリザベス女王誕生日の祝日(6月12日)の夜、5月29日のイフターディナーで知り合いになった、イスラム教の団体アフィニティーの代表者ポーラット氏のアレンジで、家庭でのイフターディナーに家族で招待を受け、イティマット家を訪れ歓迎を受けました。左は、お土産に頂いた、きれいな手作りの極彩色のお皿です。 合掌

以下は、5月の年次総会で報告された開教使からのレポートです。

 

第二十六期(2017年)年次総会 開教活動報告書

オーストラリア開教事務所長 渡部 重信

オーストラリア開教事務所はまた忙しい一年を終えることができました。2015年7月末の移転以来、二年近くを迎えようとしています。

この一年間で当開教事務所が注目されていることを示す印象的な二つの出来事の一つは、マルコム・ターンブル豪首相が主催する超宗教のイフター晩餐会に仏教の代表として首相邸に招待された事と、いま一つは、シドニー国際交流基金を会場に、「The voice of Buddhism」と題し、日本の仏教を紹介し、声明・お経を紹介しかつ参加者皆で読経し、仏教の言葉を習字で書くというセミナーの講師を依頼されたことでした。勿論、毎週の活動として、日曜礼拝を始め、チャプレンとして地域の病院を巡回するボランティア、地域の小学校でのスクリプチャーの授業で仏教を教えるボランティア、また様々な平和の集いや追悼式典へ出席する等、地域社会、日系コミュニティに対する関わりを更に深めさせて頂いています。 こうしたご縁の場で「シドニーに西本願寺さんがあって大変有難い。安心出来ます。」との声を聞くたびに、この地に伝道拠点があることの大切さを再確認させて頂いている次第です。今後もこの開教事務所とご縁のある皆様と一体となって、この開教事務所をより今後も引き続き護持し、将来是非ともシドニーにお寺へと言う夢を実現すべく前進して行きたいものと思っております。この一年間の主な出来事を以下にまとめました。

2016年

5月   カルナ基金(1日)、南天寺&慈済基金(8日)主催の

ウェサク祭に参列

RNS病院のボランティア表彰式に参列、15年間

ボランティアに対する表彰状を授与される(3日)

宗祖降誕会法要&HBMA年次総会開催(15日)

ベトナム寺院のウェサク法要に参列 (28日)

6月   聖メアリー教会にてイフター晩餐会参加(8日)

ターンブル豪首相主催キリビリの首相邸での

イフター晩餐会に参加(16日)

7月   日本クラブ主催のフェイト参加(2日)

裏千家淡交会主催お茶会に出席(3日)

8月   カウラ戦没者追悼法要を勤修(5日)

盂蘭盆会法要勤修(12日)

ハワイ別院の御一行を歓迎(25日)

9月   チャッツウッドでの日本祭りに参加(17日)

秋季彼岸会勤修(18日

パラマタ合同教会(21日)

ディーワイ合同教会での平和式典参列(25日)

国際交流基金を会場に声明・写経の講師(24日)

10月 チベット仏教カギュ派平和式典参列、読経(3日)

東リンドフィールド小で、全4年生を対象に仏教

の講師(13日)

タイ国王の追悼式典に日本を代表し読経(17日)

11月  報恩講法要勤修 ジョン師英語法話(13日)

12月 慈済基金での年末の集いに参列(4日)

領事館公邸での天皇誕生日祝賀晩餐会出席(6日)

日本人コミュニティの「日本の祭り」参加(10日)

内陣のおみがき(11日)

国際センターにて疋田部長との面会(22日)

2017年

2月 涅槃会厳修 (12日)

文化庁宗務課役員訪問(14日)

3月 クリーンアップオーストラリアに参加(5日)

東日本大震災六周年追悼式典@Manlyで読経(11日)

東日本大震災六周年追悼法要@HBMA勤修(12日)

秋季彼岸会勤修(19日)

タイ寺院での「感謝の日」法要出席(22日)

4月 花まつり法要厳修 マーク師英語法話(2日)

本山での伝灯奉告法要に参列、阿部総務表敬訪問

&尾井総合企画室長との会議出席(16日)

5月 南天寺主催ウェサク祭@ダーリングハーバー(6日)

ベトナム寺院でのウェサク祭 (7日) 出席

降誕会法要厳修&HBMA年次総会開催(14日)

 

この一年を通じての活動について下記をご参照下さい。

1.病院、養老院の訪問

2001年以来、シドニー北岸最大の病院、Royal North Shore 病院(RNSH)で仏教患者の為のチャプレンとして登録して頂き、毎週木曜日、仏教入院患者の巡回訪問を行っています。病気、怪我等で自分の体を心配する患者さんへ心の癒しを提供しています。そのRNSHの北に隣接する、私立のNorth Shore Private病院(NSPH)と、そこから少し南のMater病院へは、仏教患者がいる場合、必要に応じて仏教患者への訪問をしています。その他、シドニー近郊にある病院、養老院、等々からの要請に応じ仏教患者の巡回を行っています。患者さんたちとの面会を通じて本願寺がこうしたサービスを提供していることをアピールさせて頂いています。介護免許保持者としてきめ細やかな対応を心がけています。昨年5月に、ボランティア継続15年の感謝状を頂きました。

2.コミュニティーサポート

シドニーでの日本人永住者の会、JCS(シドニー日本クラブ:会員数約300世帯 )の副会長として、毎月の理事会に出席、主な仕事は、編集長として(2009年8月から)毎月の「JCSだより」の会報の編集を指揮しています。その他、JCSが主催する行事(フェイトや、夏祭り等)では、司会を努めるなどのボランティアを行い本願寺開教事務所の存在をアピールしています。3.11の追悼法要では常に読経を担当させていただいています。 今後ともこれらの活動を通じてご縁の場を広げて行きたいと思っております。

3.ニュースレターの作成

私がシドニーに赴任した2000年8月に「シドニー本願寺報」を創刊して以来、オーストラリアでの本願寺に関係した活動の報告をさせて頂いております。4月号で193号を数えるまでになりました。英語面の校正は、引き続きジョージ師にお願いしています。英語の記事では、ジョージ、ジョン、マーク各師からの寄稿を頂いています。マーク師には書評を書いてもらったり、ジョージ氏のアデレード法話会のレポートを掲載したり、これまで理事のグレイム氏にはキャンベラで日本の震災追悼式典での尺八演奏のご縁等も記事にして頂きました。(グレイムさんは残念ながら今年で尺八演奏を停止されました。)今後も引き続きシドニーから本願寺ニュースを発信していきます。

4.地域の人との交流-学校での仏教の授業

学校関係、病院、または個人の依頼により、いろいろな場所へ要請に応じて行き交流を持つよう努めています。各地域の合同教会で行われる、「国連世界平和の日」に関連した、平和の集いへの招待があるなど、地域との交流も図っています。2008年より子供たちの通う東Lindfield小学校で仏教スクリプチャー(聖典講読)クラスの先生としてボランティアで仏教を担当しています。キンディクラスから六年生(5~12歳)までの生徒が一緒になったクラスは大変ですが、とても教え甲斐のある楽しいクラスです。今年も34人という多くの生徒が在籍。地域の人達の中に仏教を習いたい生徒、習ってもらいたい保護者が多くいる現実を実感しています。

5.日曜礼拝、その他お勤め、レクレーション

日曜礼拝は毎週日曜日午前11時から勤められています。第一週はその月の祥月法要を執り行っています。最後の週の日曜日は休座となっています(例外もあり)。また、恒例法要の講師として、花まつり、降誕会、盂蘭盆会、報恩講、の中で都合の良い日を選び、ジョージ師、ジョン師、マーク師ら豪州人僧侶達に年に一度ずつ英語の法話をして頂いています。また法要に理事のグレイム・ランフトさんが参列できる時は尺八を奉納して頂いていましたが、寄る年波のせいで今年から活動を中止され今後は、彼が収録したCDの曲を聞かせて頂くこととなりました。

大法要の際には多くの皆さんに声をかけてご参拝を促し法要後は持ち寄りでお昼を頂き、賑やかな中で仏恩報謝させて頂いています。そうした若いファミリーと共に、色々な集いのご縁の場を頂いております。今度、ファンドレイジングの為、こうした皆さんに協力してもらってソーセージシズル販売を計画しています。またその他要請に応じて、法事、葬儀、結婚式、新装開店店舗の落成式法要、初参り法要等々を執り行っています。

アデレードのジョージ師は月に二回日曜日に法話会を開き、浄土真宗の教えに興味のある御縁ある方々に、み教えを伝えてくださっています。

6.広報活動

JCSの発行する「JCS便り」に毎月「仏教語からできた日本語」の記事を12年以上掲載させて頂いています。大変興味深く読んでいる、との反響もあり、そのご縁でお話をしてこられる方もいて大変ありがたく思っています。また、シドニー日本語土曜学校、JSS(シドニー日本人会)水泳部等に子供を通わせている関係で、色々な面で手伝いをしています。数百という日本人家庭、国際結婚された家庭がこうした所に子供たちを通わせており、そうした保護者とのコミュニケーションを通じて、シドニーの西本願寺の僧侶としての自分の存在を知ってもらえる様努めています。

色々なご縁の場で、「シドニーに本願寺があって大変有難い」、という声を聞かせてくたびに、益々、ここに伝道の拠点が存在することの大切さをひしひしと感じています。また、ジョン師、ジョージ師らはインターネットを使って、世界中に浄土真宗の広報をして下さっています。

7.「シドニー本願寺」設立に向けて

2002年より、シドニー本願寺設立基金がスタートし、浄財寄付活動が続けられています。ご縁のある皆様より貴重なご寄付をお預かりさせて頂いております。この一年間でその基金は、昨年比790.28ドル増えて35,436ドルが現在預金されています(寄付者総数213人)。昨年度より、家賃値上がり分相当に近い金額を増額した助成金を本山より頂くこととなったのは、大変有り難いニュースでした。オーストラリアでのお念仏の灯を消さないためにも、今後、オーストラリアに住む開教事務所にご縁のある皆様、オーストラリア本願寺の未来を信じる方々のこれからの益々のご協力を切に願うものです。メンバーの一人は自分が逝った際に自宅の土地家屋を寄付したいとの有り難いお申し出も受けております。こうした寄付をして下さっている皆様のためにも、開教事務所がアクティブに活動していることを報告したいものと思っております。新しい開教事務所の敷地内にあるテニスコートも活用し、ファンドレイジングを行いたく思っております。「お念仏の声を、世界に、子や孫に」というスローガンのもと、開教事務所が真にオーストラリアに根付く念仏の道場となるためにも、皆様一人ひとりのご協力を切に念願するものです。        合 掌

 

ダライ・ラマ法王豪州代表部 ラクパ・ツォコ代表と会見

2014年に日本のダライ・ラマ法王代表部から転勤となり、オーストラリアとNZ担当となられたラクパ・ツォコ代表(写真右)が、オフィスのあるキャンベラからシドニーを訪問されるとのことで、サウンダーソン・リンさんの仲介で去る6月7日にシドニー市内で会見することができました。

来年ダライ・ラマ師が再び来豪されシドニーで再び講演をされるとのことで色々なアイディアを話し合いました。 合掌